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セクレタリアト/奇跡のサラブレッドのkissenger800のレビュー・感想・評価

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競馬映画をあらためて自分の記憶に集めつつあるなか、実在の名馬を主人公に据えた作品として『シービスケット』(2003)と双璧ということになってはいるけどこっちは馬でなく人がメインの作品だし、正直2枚ぐらい落ちる。って評価だったんですけど久しぶりに見たらまんまと泣いたおじさんこと俺ですこんばんは。

- 主人公のペニー・チェネリーがどれだけ愛されたか(彼女が亡くなったときのUS競馬界の嘆きは今でも思い出せるほど大きかった)とかオグデン・フィップスしかりアーサー&セス・ハンコック父子しかり、人物伝を知っていれば知っているほど感無量になる仕組み
- 何度となくセリフとして語られる「ボールドルーラーの仔だから距離が保たない」説、昨今でいうキタサンブラックは母父サクラバクシンオーだから、と同じ真顔で言われていたやつですね
- YouTubeがこの世に存在しなかった時代、セクレタリアトのベルモントS動画を見るためニューヨークの放送博物館(当時)まで行った者としては個人的な感慨で溺れそう・なんだけど実レースと違うこともすぐ分かってしまって悲喜こもごも
- 鵯越の源義経とか桶狭間の織田信長とか、だいたいそんな感じなんですよセクレタリアト。かろうじて俺たちはディープインパクトを通じてそうした「英雄」の実在を想像することはできるけど、さらにそこへオグリキャップとアーモンドアイを足してくれ。ぐらいの騒ぎだったわけ

半世紀が経った今もなお、セクレタリアトの「大味だけどいっそ気持ちがいい」ぶっちぎり血脈は、そういうの大好きアメリカ人に留まらず世界の競馬シーンで生き続けている(Storm CatにもA.P. Indyにも彼の血は入ってる)ので、それこそウマ娘をきっかけに競馬へ興味を持った各位にもおすすめしたい作品ですね。
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