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わたしは最悪。のkissenger800のレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
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これ好きなひとは好きだろうなあ。ってぐらいに離れた距離から見終えたのは仕事で気にかかっている炎上案件の鎮火の糸口がなかなか見つからない、それが映画を見ながらもついに最後まで頭から離れない、そりゃ絵空事フィクションの対極のような作品ならそうなるし、こんなときこそバカ映画でも見てろや。とはおっしゃる通りなんですが、例によってアマプラで100円だったときにレンタル、積んだままにしていたのが残り19時間以内に再生しろって言われてさあ。見るタイミングを自由に選べるはずじゃないですか配信なんてつまり、つまり、仕事なんかクソ(=やさぐれている)。

話がちょっとだけそれるけど、たとえば今やホメる奴しかいない「シティポップ」、リアルタイムで経験している者としてはやっぱり7:3ぐらいで当時ウザかった思い出のほうが蘇るんですよね。
本作エンディングに流れたアート・ガーファンクル版ボサノヴァはまさにそうした暗黒面の感想を俺のココロの奥のほうから引き出してお見事チョイスとしか言いようがなく、おかげさまで好き嫌いで分けたら猛烈に好きなカテゴリのハリー・ニルソン楽曲の使われ方までもが包括的に小癪に聞こえてしまう。

自分が知っている範疇の音楽の話ばかりするようで恐縮ですが、ヒロインがいよいよ自分探しの森の深みに入っていくシーンで流れるトッド・ラングレン「ヒーリング・パートI」(1981)、天才ポップミュージシャンが悪くはないけど絶対もっと俺たちにハマる曲をつくれるはずなのに。って迷惑顔をしながらファンが受け取っていた時代の怪作なんですけど、「別に有り得たであろう今よりはマシな世界線」のBGMとして最悪なまでに最高でした。

……みたいな、ちょっと知った風のことを言いたがる世界中の俺たち。
俺たちが鏡を見てうわっ。てなってるところの動画を見させられている、つーか、ダメダメ、そういう方向を追求してひとは病んでいくの。(などと書きながらも仕事のことを考えているわけ)
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