mii

ハードエイトのmiiのレビュー・感想・評価

ハードエイト(1996年製作の映画)
4.0
これは フィリップ・ベイカー・ホールの渋い演技が物を言う。
彼とジョン・C・ライリーのキャラクターを楽しむ作品でもあると思う。

初老の男シドニーが ダイナーの前でしょぼくれているジョンに声をかけて物語が始まる。

ジョンが何と言うか···
野暮ったい男なのだけれど
ジーンズに入れたマッチが 突然ボッ!と発火したシーンは笑ったなw
とんでもない不幸?アクシデント?を呼び込んじゃう男というか。
いい奴なんだけどね。

グウィネス・パルトロウとサミュエル・L・ジャクソンが入ってくる事で
更なるアクシデントが舞い込んでくる。

「ハードエイト」とは
賭博の「クラップス」でのサイコロの4のゾロ目の事。
ギャンブルの場面で PTA常連のフィリップ・シーモア・ホフマンが登場する。
ここで その場面がある。
シドニーを見ていると 我慢がならないタイプが分かってくるわ。
ここでの「ハードエイト」は 若造との格の違いを分からせる事。
その賭けは外れるだろう事を分かっていながら
ここぞ!という時の手札的に使うのが 「ハードエイト」。

後半 シドニーが何者かが分かるのだけど
2人は疑似親子のような関係になる。

「ハードエイト」は そうそう巡ってくるものではない。
人生で 2回も3回も巡ってくる事はないでしょう。
しかし シドニーは使うべき時が来た時にジョンをしっかり掴んだ。
彼はずっとその好機を 影ながら伺っていたのでしょう。
そして 彼の人生に介入したなら 最後まで見届ける。
なんとも素敵な男じゃないですか!

なかなか奥深い物語で これがPTAの長編デビュー作だとは 凄い。
わたしはこの作品が とても心地よく感じたのよね。
それは 落ち着き払ったフィリップ・ベイカー・ホールの演技によるものだと思う。
mii

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