YasujiOshiba

ゴーストのYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

ゴースト(1997年製作の映画)
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やすとみさんが『MJの思想』で絶賛。ネットで視聴。たしかにすごい。

ここにある逆説は、ゴーストが純粋で、人間が不純だということ。ところが人間的な不純を、大人たちは道徳的な正しいあり方だと信じ込んでいる。だからこそ、純粋な存在はゴーストとして恐れられているというわけだ。

それはいわば丸太ん棒。しかしその純粋無垢から、ひとたびピノッキオが彫り出されるや、たちまちに人間的な不純に捕らえられてしまうというわけだ。子どもたちは、しかし、まだ無垢を残す存在だ。だからこそ、ゴーストたちのマエストロ(MJ)はそこを救おうとするというわけか。

だからマエストロ/MJもまた、ピノッキオが狐とネコに騙され、木に吊るされて死ぬように、死なねばならぬ。そして確かに死ぬ。死にはするのだけれど、コッローディの子供の読者たちがそうしたような殺さないでという祈り、その祈りよって蘇る。

蘇ったあとのストーリーは、作者の手を離れ独り勝手に展開してゆくことになる。あの冒険に満ちたストーリーが...
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