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砂漠でサーモン・フィッシングのGINのレビュー・感想・評価

3.7
イギリスでベストセラーになった小説『イエメンで鮭釣りを』を、『ギルバート・グレイプ』のラッセ・ハルストレム監督が映画化したロマンチック・コメディー。

2011年制作。
釣りが趣味の英国の水産学者アルフレッド・ジョーンズ博士のもとに、砂漠の国イエメンの大富豪・シャイフから、鮭釣りがしたいのでイエメンに鮭を泳がせてほしいという依頼をもちこまれる。
そんなことは不可能と1度断ったジョーンズだったが、中東との緊張緩和のためにと外務省が支援を決め、首相まで巻き込んだ国家プロジェクトに発展してしまう。
ジョーンズは美人コンサルタント・ハリエットと協力し、その無謀な夢に挑戦することになる―。

とても爽やかな軽いタッチの作品だった。
無謀で荒唐無稽な国家プロジェクトに巻き込まれた主人公の学者が奔走する姿や、プロジェクトにかかわる人間たちの恋や友情をユーモアを交えて描いている。
音楽も軽快で、話のテンポも良く、展開も早い。

冴えない博士の前代未聞の挑戦。
パートナーとして現れたのは、頭が良く美人だけど何処か不器用な性格のコンサルタント・ハリエット。
富豪のシャイフも金に物を言わせる男かと思いきや、人間味溢れる人格者で、そんなシャイフの人柄に魅せられたジョーンズ。
ハリエットとの信頼関係も生まれ、数々の困難に立ち向かっていく。

ジョーンズには、互いに仕事熱心になりすぎて夫婦生活が破綻している妻がいるし、ハリエットには中東に派兵され行方不明になった彼氏がいる。
それぞれ悩みを持ちながら、プロジェクトに邁進するが、途中、シャイフが命を狙われたり、外部が余計な茶々を入れてきたりと、物事はなかなかスムーズにはいかない。
全部が全部爽やかな作りって訳じゃなくて、ちょっとハラハラする展開もあったけど、最後はほっこりする結末で安心した。

主演はユアン・マクレガー。
共演は、エミリー・ブラントなど演技派キャストが揃った。
どちらも安定の演技力。
不器用な中年の恋や友情を上手に表現していました。

果たしてこの無謀な夢物語は成功するのか!?
未見の方は是非😊
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