タキ

クラウド アトラスのタキのレビュー・感想・評価

クラウド アトラス(2012年製作の映画)
3.8
1840年代から2300年代の文明が一度崩壊したあとの未来まで全部で6編の物語を細切れに同時進行でみせていくのだが、この構成に慣れるまでが結構大変でくじけそうになった。しばらく我慢して見続けていると全体像がぼんやり見えてきてこの6編の物語はどこに収斂してゆくのか興味がわいてくる。身体のどこかに箒星のアザがある人物が輪廻転生して各時代の変革の騎手になるというのが共通した概要のようだ。構成が上手くとっつきはアレだけど後半退屈はしなかった。
作曲家の物語が1番切なくて可哀想だった。彼らだけは別の時代で巡り会うことも叶わなかったのはなぜだろう。この物語の主人公フロビシャー役のベン・ウィショーがすごくよかった。彼で長編のラブストーリーものをぜひ見てみたい。
それぞれの演者は他の物語にも役柄を変えて出演し性別すら変えていることもあってエンドロールで初めて気づくこともあった。その中でもトム・ハンクスだけはいつなんどきもトム・ハンクスで物語によっては脇役なのにセンター感がすごいし(実際主役は彼だけど)悪人をやっててももはや悪人に見えないのは良かったのか悪かったのか。トム・ハンクスのパブリックイメージの強さを改めて感じたものだった。
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