このレビューはネタバレを含みます
【正しい人になる】
“動くと撃つ”
そう言ったジャベール。
しかし、震える拳銃。
震える瞳。
悪人を徹底的に許さない男ジャベールの心に迷いが、、。
なぜ、ジャン・バルジャンは俺を助けた?
なぜ、この男は俺に疑われるのを覚悟で荷車の男を助けた?
なぜ、冤罪の男の代わりに、自白した?
この男は悪人だろう?
悪人は悪人なんだ。
変われるはずがないだろう?
それとも、
この男は悪人ではないのか?
悪人は俺の方?
———
「レ・ミゼラブル」=「悲惨な人々」
という意味だそうだ。
確かにこの作品で幸福な人間はほとんどいない。
にも関わらず、鑑賞後、私の気持ちは、悲惨どころか興奮してしまった。
善と悪と罪と罰。
愛と革命と血。
人間の迷いと情熱が、歌となって解放される。
生命のエネルギーに溢れる傑作。
パンを盗んで19年投獄された絶望から、無償の愛を知り聖人となるまでのジャン・バルジャンの物語。
公開:2012(英)
監督:トム・フーパー(『英国王のスピーチ』)
出演:ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、エディ・レッドメイン