ピッツア橋本

ムーンライズ・キングダムのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)
4.5
"月に叢雲、島に風。君は雷鳴、僕の王宮"

ボーイスカウトの少年と家出美少女が駆け落ちして島中を逃げ回るボーイミーツガールな脱力コメディドラマ。
二度目につき、今回は日本語吹替で鑑賞。

実際にこの島にあった天災を舞台装置に、ボーイスカウトの規律正しさ故に滑稽なコミュニティぶり、豪華キャスト陣によるコミカルでオフビートな演技が絡み合って、麗しのウェスアンダーソンの世界を堪能できる。

この12歳の少年少女のラブストーリーの描き方がこんなにもエロくて大人びていたっけとたじろぐ。
厳しい人が見たら児童ポルノが何たらとかケチをつけそう。
とりあえず実写版わかめちゃんと形容しておく笑

ずっとバカバカしくて、どこまで本気なんだろうこいつら!?と疑うような言動ばかりなのだけれども、
本作にはなんだかときめいてしまった。
「君のことは何もわからないけど、好きだよ」
に何かガツンと来てしまった。

早く彼らの崇高な精神と肉体の若さとのギャップが埋まって、2人は永遠に仲良くいて欲しい。遠い星のスピカのようになって欲しいと感じた。

本作を見ると視覚にもハートにも稲妻が走る。
彼の帽子の尻尾が今日もあの島のどこかで彼女を追いながら元気に揺れているといいな。

ウェスアンダーソン作品群の中で最もキュートでパワーをもらえる作品だと思う。
ピッツア橋本

ピッツア橋本