なんだかぬるい。こんなもんじゃない。
ところどころ、途中で切りすぎ。
もっと余韻というか、ちゃんと描き切ってくれないと感動も中途半端になってしまう。4コマ漫画が3コマ目で終わるみたいな感じ。
西田敏行が「顔が変わったんですよ」って涙で訴えかけるシーンとか、ご遺体にハンドクリームを使って化粧を施すシーンとか。
救われるシーンも、唯一その化粧のシーンだけでした。
もっと何個か描いてほしかった。でないと震災をずるずる引きずっている映画にしか思えてこない。
何かの希望を持って犠牲者の分も頑張って生きていこうという、前向きな姿勢をどこかにいくらか取り入れてほしかった。
「おくりびと」なんかそういうのが丁寧に描かれていたから、哀しいなりにも温かい映画になれたわけで。
勝地涼も、あれだけ友達のことを心配したりでずっと引きずっていたんだから、
フィクションで構わないから、結果がどうだったかをちゃんと描いてほしかった。
西田敏行は西田敏行でしたね。
普段と変わりなくて1人浮きすぎているから感情移入も難しい。
真実のみを、演出を重視せずに描くのはいいけど、もうちょっと上手く引き込ませる方法があったように思います。
主演と監督によってはどこまでも良くなる映画だと思いました。