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ザ・マスターのoldmanSEヨKのレビュー・感想・評価

ザ・マスター(2012年製作の映画)
2.4
とにかく長く退屈だった。

アイツって何考えてるんだ?
あの中では何やってんだろう?

この映画はそういったことを想像する手助けになるのかもしれない。

自分の中にも、もしかすると潜んでいるかもしれない同じような怪物のための、予防接種みたいになるものなのかもしれない。

或いは、観る人によって別の様々な解釈も読み取れるかもしれない。

映画の中心人物は3名。
PTSDを患った退役軍人のフレディ(ホアキン・フェニックス)と、ザ・コーズという新興宗教団体の教祖ランカスター(フィリップ・シーモア・ホフマン)とその妻ペギー(エイミー・アダムス)。

手法としては、突然切り取られてスクリーンに映し出される各シーンに、特に説明はない。
観る側は、目の前に起こっている事を推測し考察や検証しなければならない。
たまたま通りがかった時に、ふとその場に居合わせた人たちの会話が耳に飛び込んできてしまった感じ…に似ていたり。

決して難解ではないのだが、フレディやランカスター、そしてその周りの人々や信者の考え方や教義のもとに行われる、会話や行動や儀式が直接的に理解しがたかったり、時には不快感を伴い観ているだけで苦痛を伴うことも多い。
そしてとにかくシーンが長かった(体感的に)。

去年(2016年)観た全く違う類の邦画に、フレディと共通のある行動をする人物が描かれていて、その映画の製作者がこの映画を意識していたのか、例えばちょっと拝借したのか、それとも両者とも犯罪者的に共通する衝動を描いたら偶然同じになったのかは定かではないけど、自分の中で妙に説得力を感じてしまった。
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