“Is this a fact or fucked?”
集団催眠術が得意なカリスマ先導者的作家フィリップシーモアホフマンにカクテル作りが得意なアル中の暴れん坊ホアキンフェニックスがマスター(指導)されていくサイコサスペンスドラマ。
ホアキンのならず者ぶりと、フィリップのクレバーぶりが絶妙に最悪な方向にブレンドされていく。
それがあまりに気持ち悪くて興味深い。
パーツパーツを取ると友情に取れなくもないけれど、
やっぱりこの2人の関係にはマインドコントロールによる主従というのが前提にあって、どこをどう取っても爽やかにはならない。
陰を落とす感じになる。
タイトルのザ・マスターは熟練者や習得する、というよりも指導者や服従させる方の意味合いが強い。
プロセシング(催眠術)のシーンが静かに過激で緊張感と不安を煽る。
バイオレンスとはまた違った不安感だ。
「これが事実(あるいは真理)だよ」
「違うイカれてるだけだ!」
そんな2人の監獄でのやり取りがとても印象に残った。
果たして完全な洗脳は罪か安楽か。
ふと考えてしまった。
なんだかとても黒光りした力強いラストにショックを受けた。
そうとう屈折してるのにパワフルな映画です。