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ザ・マスターのGreenTのレビュー・感想・評価

ザ・マスター(2012年製作の映画)
3.5
ホアキン・フェニックスと、フィリップ・シーモア・ホフマンの演技対決が見ものです!久々に観たな~PSH!やっぱこの人はすごい。R.I.P.

ホアキンは、第二次世界大戦で日本と戦った海軍の退役軍人、フレディ・クエルを怪演しています。戦争のトラウマなんだか、そもそも変なのかわかんないけど、この人マジ頭おかしい。この人が海岸で、砂で作ったダッチワイフとハメるシーンがすっげえ不快。付き合ってた彼女と思われるドリスという女の子に対する態度も、嫉妬心強そうな、絶対関わり合いになりたくない感じ。ホアキンって、顔が気持ち悪いなっていつも思っていたのですが、今回はカラダも歪んでいる。この人にパブでナンパされて着いていく女の子の気が知れない。しかもアル中でもあるらしくて、シンナーとか消毒用アルコールとかを混ぜた怪しい密造酒作って飲んでるし。

フィリップ・シーモア・ホフマンは、新興宗教"The Cause" の教祖、ランカスター・ドッドを演じている。このうさん臭さ、こういう人アメリカに結構いる!自信満々にべらべら喋って人を煙に巻くけど、実は内容ないこと言ってるだけ!みたいな。特に日本人だと思うと、わからなそうな英語使って優位に立とうとしたりとか。そういうキナ臭い感じ醸すのがPSH上手い!!

この人の奥さん、ペギーがエイミー・アダムス。そして、なんと娘婿がラミ・マレックだった。これは知らなかった。ボーナス!敬虔な信者で、しかも全く毒がないから娘の旦那さんに選ばれたのかな?って感じだった。この骨抜きにされた娘婿との比較でフレディのクレイジーさがより際立って、脇役ながら重要な役どころだと思った。

こういう新興宗教の教祖の家族がどういう生活をしているのかが描かれているのも面白かった。教祖は本を出版して、金持ちの支持者がついて、その人たちに招待されて、家族でパーティや家に行って、講演したり、相談を受けたりして信者を増やしてるようだった。

フレディは仕事が続かなくて、放浪している内にドッドと出逢い、ドッドは明らかに頭おかしいフレディを娘の結婚式に招待し、一緒に講演に連れて行くんだけど、「なんで?」って思った。すぐぶちキレるし暴力的で危ないのに、なぜドッドはそんなにフレディを好きなのか全然わからなかった。奥さんのペギーと、ラミ演じる娘婿も、フレディが"The Cause"の活動にマイナスになると、すごい嫌っているのに。

画面が暗い感じとか、ホアキンの異様さとか、「なんかこれ、PTAっぽくない?」と不安になったが、音楽がぜってーPTAに違いない、と思った途端に腑に落ちた、この変な感じ。「うわー、こりゃ最後まで意味不明だな!」と思ったら案の定わからなかったので、ちゅ~ぶのネタバレ・ビデオを見てみました。ネタバレは、コメント欄に移動して隠しましたので、興味のある方はご覧になってください。
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