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ザ・マスターのsmithmouseのレビュー・感想・評価

ザ・マスター(2012年製作の映画)
4.1
病んだ魂同士が惹かれ合う。
世間からの攻撃に晒される新興宗教の”マスター”と第二次大戦帰還兵の主人公との師弟関係と友情の様なものが描かれる。

粗野で自暴自棄でアル中の主人公が”マスター”に感化されていく過程が気持ち悪い位事細か。
世間に居場所がないと思うからこそ荒れる主人公にその心理的な原因を解明し克服させようとするアプローチは有効に思えるが、教祖の手法がセンセーショナルすぎてこれは治療なのか洗脳の区別ができない。「侵略者」「反応力」とアノ宗教っぽいキーワードが出てくるので尚更だ。

トラウマからの解放をうたっていた教祖が宗教組織のしがらみの中で身動きが取れなくなる姿と自分の中に”マスター”を見出し自由になった主人公の対比も綺麗に決まってる。

腹黒いトム・ハンクスみたいなホアキン・フェニックスのどこまでも濃い演技が癖になる映画。
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