「今、教会の外で起こっている事が終末ではないと言えるか？」
不気味なアジテーションとともに今夜も「磔刑」が行われる。
スミス監督は「ドグマ」でカトリックを笑い飛ばしたが、今回は「福音派」を真っ黒に風刺する。
偏狭過ぎる教義を振りかざし、ハリケーンの悲劇も「神の御業」と説く、ネオナチからも忌み嫌われる保守系キリスト教団体「ファイブポインツ教会」。血縁関係だけで固められた大家族みたいなこの集団にある容疑から強制捜査が入る事になるが。
聖書の中から最適な一節を引用し、人の心に忍び込んでくるクーパー牧師はまさに失楽園のキッカケになった「蛇」。
IT系「罪人狩り」みたいな事までやっちゃう。
まあ、チェンジ無しの地獄に堕ちた3人組は自業自得な訳ですけど。
この映画では普通の主婦やお婆さんみたいな人でもアサルトライフルでドンパチする迫力の銃撃戦が繰り広げられ、ハイパーアクティブな「人民寺院事件」みたい。
政府側の冷徹なリアリズムも描かれ、信者達の熱狂と凄まじいコントラストになっている。
緊迫感も有り面白かったけど、結末が少し殺伐とし過ぎじゃないかと思う、信じる者が救われない映画。
