「車ないっす」
車の存否だけで青春を突き動かしつつ、青春以降も予見させる傑作でした。もう一度同じ道に戻ってきた時に、盗まれた車が走り抜けるという時間感覚がよすぎです。
シャッターを開けて見えるスクリーンみたいな雪景色にやくたたずたちの時間が積み上がっていくこの感じ、「風櫃の少年」だ...!ちょいと緯度が高すぎるが。
それぞれのキャラクターを立たせた上で絡み合わせるよりも、特定の場所で息づく人々のダイナミズムを捉えるタイプの監督さんなんだなぁ、となんとなく思いました。「夜明けのすべて」の解像度8Kの町工場が、既に札幌のガレージに顔を出している感じがしました。
それぞれの会話を立たせている濱口竜介よりも、場が立っている三宅唱の方が体で感じられるものがあって好きです。
どうでもいいけど中山きんに君出てた...?