グレハニスト森田

かぐや姫の物語のグレハニスト森田のレビュー・感想・評価

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)
4.1
キャッチコピーの「姫の犯した罪と罰」を個人個人が追う映画。
ストーリーだけ追いたいなら「ハローキティのかぐや姫」のほうが簡潔(30分)なのでそちらを。笑

月=極楽浄土、解脱者たちの国と考えるのが最もわかりやすい。
これ月の民がかぐや姫に与えた「罰」が、本人にとって罰になっていないし、逆に月の民が与えた「許し」が最大の「罰」になっちゃってる二重構造。
この作品のエグさったら。
ヒジョーに個人的な感想を言えば、みんなのトラウマ映画「ミスト」なんかよりもよっぽどしんどい。笑

まあ日本人なら一度くらいは見てみたほうが良いかも・・・

【月の民からみた全体の流れ(予想)】
あらゆる煩悩から解放された世界に生きる月の民にとって感情や欲望に支配される地球で生きることは『罰』に等しい。
その地球に興味を抱いたかぐや姫は『欲した罰』として地球に堕とされた。(懲役刑15~20年)
時が過ぎ例の十五夜の夜、刑期満了の判断で月の民が『お勤めご苦労様です』しにくる。
地球でかぐや姫が得た様々の感情は月の民にとって当然に忌むべきもの、持っているとつらいものなので『消して”あげた”』。

人間性の喪失が最も幸せなことっていう価値観は、正にホラー。

楳図かずおが「14歳」で恐怖の宇宙人の姿をまんま「月の民」として描いてたが、本作でも近いものを感じたわけだ。