“生きる手応えさえあれば…”
「たけのこー!たけのこー!」
と近所の子供たちが囃し立て、まだ幼いかぐや姫がよちよちと歩いていく。
それを見つめる翁は、ムッとした表情を浮かべ
「ひーめ!ひーめ!ひーめ!」
と、迫真のコール笑
ホント、ここの呼び方が最高。
地井武男さんはやっぱり凄い。
想う気持ちが発露した時って、
あれくらいなりふり構ってられないよね。
渾身の姫コールによって、
かぐや姫は翁の方へ歩き出す。
すると、もう待っていることも出来ずに
翁は走り出して姫を抱きかかえに行く。
“生きる手応え”ってこのことだ。
無様だっていい。
偽物だっていい。
この世界はこんなにも彩られていたことに気付く。
嫌なものを突きつけられて、
それでもこの世界を認めたくなる
不思議な映画。