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汚れなき祈りのragaのレビュー・感想・評価

汚れなき祈り(2012年製作の映画)
4.0
ルーマニアの修道院で起きた "悪魔憑き事件" に基づいた物語は、どの人物に寄り添う事なく冷静な眼差しで出来事のあらましを映し出す。誰が原因なのか、責任を背負う分別を法の裁きによって下すならば、神のご加護は無用なのか、を問うてくる。神の力は信仰や奇跡によって恩恵を受けるが、法律という秩序は事実の積み重ねによって公正な判断を下す。各人にとって当然の範疇が、立場を違えると常識を逸脱した言動へと変貌する。そこに "罪" を押し付けるのではなく "許し" が肝要であろう。人それぞれの価値観・文化・慣習そして宗教観の違いを揶揄する者は愚かだとラストで締めくくる演出が印象深い。
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