ENDO

天使の分け前のENDOのレビュー・感想・評価

天使の分け前(2012年製作の映画)
4.0
トレインスポッティングの裏表。
スコットランドの貧しい労働階級者の話。歴史も道徳も教わってこなかった青年が主人公。イギリスの縦割りな社会の問題を浮き彫りにする。
ロビーという主人公は暴力衝動を抑えきれないが、自身がというより因縁を付けてくる相手がいることで受動的にスイッチが入ってしまう。彼には親身になってくれる恋人がいて、息子も産まれた。根は優しいのだ。環境による悪循環。

社会奉仕活動の指導員の先生と出会い、その天性の嗅覚に気づかされ、自発的にウィスキーの勉強を始めるロビー。
ある犯罪に手を染めるが、それもやはり富裕層の莫大な資産の分け前を少しくすねるという展開なので、まさにタイトルの『天使の分け前』という感じ。
人は善悪どちらも持ち合わせているのだから。このグレーな犯罪には社会の皮肉が詰まっている。

ロビーは自ら交渉し、自分の環境を変えたわけだが、他の仲間たちはどうだろうか?自分の道は、自分で切り開くしかない。たとえ泥臭くても。
ENDO

ENDO