回想シーンでご飯3杯いける

ウィ・アンド・アイの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ウィ・アンド・アイ(2012年製作の映画)
3.0
ブロンクスを走る路線バスの学年最終日、夕刻。つまり夏休み直前の様子を描いたワン・シチュエーション映画。

冒頭の雰囲気は、同じブロンクスを舞台にしたドラマ「ゲットダウン」や、お隣のブルックリンを舞台にしたスパイク・リーの「ドゥ・ザ・ライト・シング」そっくり。でも、それらが'70~'80年代の話であったのに対し、本作は高校生達がスマホやメールをガンガン使っているので、どうやら現代の話だという事が分かる。しかし、ほんと街の雰囲気自体は「ゲットダウン」の時代と全然変わらなくて驚きだ。

監督はMVディレクターとしても有名なミシェル・ゴンドリー。本作でもオールド~ミドルスクールのヒップホップから、かなり渋い選曲がBGMに使用され、センスの良さを感じる(この辺りが先述の2作品と似た印象を持ってしまう理由でもあるのだろう)。

テーマはタイトル通り。友達に囲まれている時の「We」の一員である自分と、1人になった時の「I」な自分について。路線バスの停留所に停まる毎に学生が1人、2人と降りていき、日が暮れる頃には、バスの中は僕とあの娘だけだ。あー切ないね。青春だね。前半の学生達の会話が下らな過ぎるのが、少し残念。