斬切りバーニー

箱入り息子の恋の斬切りバーニーのレビュー・感想・評価

箱入り息子の恋(2013年製作の映画)
3.2
最近、星野源のエッセイを立て続けに2冊読んだ。星野源と言えば、歌手、俳優、作家とマルチな才能を発揮し、その諸方面からの支持を得て、成功に上り詰めた、言わばスーパーマンみたいな存在である。(個人的解釈)

それなのにエッセイに書かれた内容は、くだらないことやエロいこと、ウジウジ弱々で……私は一気に親近感が湧き、強烈なシンパシーを覚えた。(素敵な話もたくさんあり)

「SUN」で一定層の人気を博し、「逃げるは〜」では知名度爆上がりーー。自信みなぎる今の顔からは考えられない、地味で根暗な初主演作品。

だけど今作の気質の方が、彼に本来備わった内面に近いのでは、とエッセイを読み終えたばかりの人間からは想像できる。まさにハマり役。

別のレビューでも少し書いたけど、私は役者が、役者以外の他のワラジを履くことが、あまり好きではない。それは単純にイメージが壊れるということもあるけど、一つのことを突き詰めるストイックさと矛盾するように感じるからだ。

その私の概念を打ち破り、さらには新たな境地を築いてしまった星野源という男。彼の概念には、何かを得るのに何も諦めたくないという、貪欲さと強欲さがある。

なにやら、映画よりもエッセイのお勧めみたいなレビューとなりましたが、何卒ご容赦をば。