T太郎

闇を生きる男のT太郎のレビュー・感想・評価

闇を生きる男(2011年製作の映画)
3.6
1003
ワッフルでお馴染み、ベルギー映画だ。
終始どんより重苦しいヒューマンドラマである。

序盤は少々眠くなってしまったが、物語が進むにつれてどんどん引き込まれていった。

主人公はジャッキーというマッチョな男だ。
暴力的で粗野な雰囲気の男である。
誤解なきようお断りしておくが、ジャッキーと言ってもチェンではない。
彼はカンフーの使い手ではないのだ。
腕っ節は滅法強いが、チェンではないのである。
そこはお間違えのないよう、お願い申し上げる。

チェンは畜産農家だ。
多くの牛を飼育している。
君は牛屋か!
というくらい、牛を所有しているのだ。
(牛屋やで)

そんなチェンは、あるホルモン・マフィアと取り引きをする事に。
非常にうま味のあるビジネスに見える。
相棒は乗り気だ。

しかし、チェンはこの取り引きに躊躇する。
巷で話題の警察官殺しの事件に、このホルモン・マフィアが関与していると思ったからだ。

・・ちょっと待て!
ホルモン・マフィアだ・・と?
黙って聞いていれば、なんという美味しそうな響きのマフィアなのだ。
私は三度の飯よりホルモン好きなのである。

私の焼き肉好きはつとに有名だが、これはホルモン好きと言い換えても差し支えないのだ。

テッチャン、アカセン、ミノ、コリコリ、ミノサンド・・・
夢のラインナップである。

隣の席に居合わせたある紳士は、私たちの皿を見て呆れたように言ったものである。
「にいちゃんらの肉、白いんばっかりやな」

懐かしい思い出だ。
あの紳士は今も赤いお肉ばかり食べているのだろうか。

おっと、珍しく話が脇道に逸れたようだ。
(いつもやで)

この警察官殺しが、チェンにどう関わってくるのか。

また、チェンはある事情により、恋愛に奥手だ。
不器用なチェンの恋愛感情が、物語にどう影響するのか。

そんな物語である。

更に、ディエドリックという男が登場する。
チェンの幼なじみだ。
彼はチェンのある事情をよく知っている。
そんなディエドリックの物語も実に興味深いのである。

暗く痛い作品だ。
とんでもなく痛いのだ。
それはそれは痛いのだ。
何がそんなに痛いのか。
是非ともその目でご確認いただきたい。
男性諸氏なら、お分かりいただけるはずだ。
T太郎

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