T太郎

テシス 次に私が殺されるのT太郎のレビュー・感想・評価

テシス 次に私が殺される(1996年製作の映画)
3.7
1040
スペイン発のサスペンス・スリラーだ。
70年代くらいかと思いきや、90年代の作品だった。

雰囲気がよく、なかなかサスペンスフルで良かった。
容疑者は少ないのに、最後まで犯人が分からないのもいい。
(まあ、私にはお見通しだったのだが)

主人公はアンヘラという女子大生だ。
彼女は論文作成の資料集めの過程で、ある激やばビデオテープを入手する。

そこにはなんと、世にも凄惨な猟奇殺人の一部始終が収められていたのだ。

アンヘラはチェマという男子学生と知己を得る。
彼は一風変わった男で、様々なアングラビデオの収集家なのである。

アンヘラはチェマとともにこのビデオを再生したのだが、彼から意外な話を聞く。
このビデオで惨殺されている被害者は、2年前に行方不明となった当校の女子学生だというのだ。

これは恐ろしい。
あのビデオの中で繰り広げられていた凄惨な事件は、ごく身近で起きていたのだ。
という事は、犯人もごく身近にいるという事なのである。

チェマは犯人捜しにのめり込む。
ビデオを何回も再生し、この撮影に使用されたキャメラの機種を特定するのだ。

そのキャメラとは?
ソニーの何とかというキャメラだったのだ!

アンヘラは偶然にも、学内でそのキャメラを所持している男子学生ボスコと出会う。
私と同じでとてもハンサムな青年である。

これは怪しい。
ハンサムな男は全員怪しい。
ハンサムな男にろくな奴はいないのだ。
世の女性は十分注意をしていただきたい。

そう、私ぐらいがちょうど良いのです。
何事も中庸が良いのです。
さあ、祈りなさい。
壺を買いなさい。
お布施をなさい。
(こらこら)

ボスコを恐れながらも、惹かれていくアンヘラ。
そんなアンヘラに焼き餅を焼くチェマ。

主にこの3人が主要メンバーなのだが、指導教授のカストロ、ボスコの彼女のヨランダと他にも怪しい人物はちゃんと用意されているのだ。

一体犯人は誰なのか。
事件の背景には、どんな恐ろしい秘密が隠されているのか。

最後まで犯人が分からない展開は、ミステリー好きにはたまらないだろう。
是非ともご鑑賞あれ。
(まあ、私にはお見通しだったのだが)

「スクリーム」と同系統の作品だ。
「スクリーム」のヒットを受けて製作されたのかと思いきや、公開はほぼ同じ時期だった。
お見それしました。
ごめんなさい。

アンヘラを演じているのは、「ミツバチの佐々木」・・・ではなく「ミツバチのささやき」で主人公のアナを演じていたあの少女だ。

すっかり大人の女性である。
あのきゃわいらしかった少女が、なんとまあ。
人に歴史あり。
美しく成長していて何よりなのであった。

        完
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