T太郎

グッド・ドクター 禁断のカルテのT太郎のレビュー・感想・評価

3.7
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オーランド・ブルーム主演でお送りする、医療サスペンスだ。
静かに淡々と物語は進むのだが、描かれている内容は割りとエグい。
面白かった。

主人公はある研修医だ。
私と同じでハンサムなだけが取り柄の男である。

序盤は新人研修医の悪戦苦闘の日々が描かれる。
ベテラン看護師との確執などもあり、心身ともにヘトヘトの毎日だ。

そんな主人公が、ある女性患者に懸想してしまった事から、物語はややこしい方向に突っ走っていく。

実はこの主人公、非常にヤバい人物だったのである。
表面上は良いお医者さんなのだが、なんとも言えないゲスい本性を隠し持っていたのだ。

この女性患者はある難病で入院していたのだが、快方に向かっていた。
主人公の治療の甲斐あり、思ったより早く退院という運びとなったのだ。

主人公は秘かに慌てる。
まさか、もう退院だなんて。
なんて事だ。
もう彼女には会えないのか。

そんな時、女性患者の家族から退院パーティーの招待が。
よし、また彼女に会える。
やったぞ。

彼は勇躍パーティーに臨むのだが、なんと彼女だけいなかったのだ。
彼氏の元に遊びに行ったのだとか。
なんじゃそれ!

辞去する時、彼は家族に言付けを残す。
「薬はきちんと飲むように」と・・

ここから彼の暗躍が始まる。
なんと、彼女の再入院を画策するのだ。
一体どうやって。

そう、薬の差し替えだ。

なんと恐ろしい事を考えるのだろう。
こんな医者がいたら、たまったものではない。
魅力的な入院患者さんは気をつけた方がいいだろう。
もちろん、私も十分気をつけるつもりだ。
入院する予定は皆無だが。

彼はコソコソ動き回る。
作中、下品な描写はないのだが、彼の一挙手一投足は非常に愚劣でみっともない。
だが、スマートとは言いがたいが、医師の知識を駆使して彼はやってのけるのである。

女性患者は再入院する。
ほぼ全快していたのに・・・
なんと気の毒なのだろう。

彼女が再入院してからも主人公はコソコソ動き回る。
入院を長引かせるためだ。

彼女は主人公を信頼しきっている。
好意さえ抱いているようだ。

しかし、病状はどんどん悪くなっていく。
彼のせいで。
全快しかけていたのに。

さあ、ここから一体どんな物語が展開されていくのか。
気になった方は、どうかご鑑賞いただきたい。

とにかく、オーランド・ブルーム演じる主人公がコソコソコソコソ動き回る。
格好良さは一切ない。
私と同じでハンサムなだけが取り柄の男なのだ。
(大事な事なので2回言いました)

そんな作品である。

最近の私のレビューだが、ネタバレが少ないような気がする。
以前は盛大にネタバレをして一人悦に入っていたものだが。
なぜだろう。

今回も上手に寸止めをした自信がある。
私にも分別が備わってきたという事だろう。

面倒くさくなって途中でブツッと切ったという疑惑もあるようだが、そうではない。
私に限って、そのような事はないのだ。
私は誠実な男である。
誠実が服を着て歩いているようなものなのだ。

以後、お見知りおきを。
T太郎

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