ぶれ

凶悪のぶれのレビュー・感想・評価

凶悪(2013年製作の映画)
2.8
俳優陣の演技が素晴らしい作品。
実際にあった事件をベースとして「逃げ出したい困難から目を逸らしてはいないか」ということを問いかけるような映画だったように思いました。

須藤は迫り来る死刑から目を逸らし、藤井は家庭の問題から目を逸らす一方で、それを正当化するために木村(先生)の罪を暴くという正義を使っていたように感じます。

確かに木村は野放しにしておくには危険な人物です。
しかし、藤井の妻にとっては痴呆が進み自らに反抗してくる義母を放置し、自らを省みない藤井の方がよっぽど"凶悪"に感じたのではないでしょうか。

描写的にもかなり精神的にキツイシーンが多く、後味もスッキリしない作品です。
しかし「自分も何か大事なものから逃げているのではないか」と自らを振り返るきっかけになる作品でもあります。

あまり何度も観たくはありませんが、観て損はないと思います。
気持ちが重くなるということを頭に置いて鑑賞してください。
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