ピエール瀧さんが逮捕され、観られなくなるとかのならないとか噂があったので鑑賞。
久々に僕の中の胸糞映画ランキングが更新されたような気がします。
白石監督は本当にすごいですね。
大衆ウケはしないのは間違いない。でも、日本にはこんな映画を作れる人が絶対に必要だ。
須藤と木村のしたことは決して許されるべきことではない。
倫理的にも道徳的にも常識的にもおかしい。狂っている。狂っているとしか表現できない。
何人もの人を金や私利私欲のためにこの世から葬ってきたのかわからない。
日本で稀に起こる猟奇殺人は僕たちを震撼させる。
日本のどこかで蔓延る闇。
そこに慈悲や愛は存在せず、信頼や義理を通さねば命はない。そこに絡んでくるのが金だ。さっきまで人を殺し、遺体を処分していた人が何億もの金を持って家族や子どもと団欒するシーンは吐き気さえ催す。
この事件を調査した藤井の動機も不可解である。
正義感や熱意、そんなものを超えた感情が彼の中にあったような気がする。
闇を暴き、しかるべき裁決を受けさせることが正しいのかはわからない。
その仕事に囚われて目の前の家庭をおざなりにするのもどうかとは思うが、この事件に関わるにはそれなりの代償が伴うということなのか。
気持ち悪い映画だ。嫌いにはなれないのがまた気持ち悪い。そしてこの事件の答えはないのも不快だ。ただし、クオリティと狂気だけは保証しよう。
