シノミー

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のシノミーのレビュー・感想・評価

3.9
地球がクソやばい。

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3年前の8月31日、突如巨大な母艦が東京に出現し、多くの死傷者を出した。攻撃しても破壊はできず、そのまま3年が経過した。
しっかり者の小山門出(#幾田りら)とちょっと痛い中川凰蘭通称おんたん(#あの)は小学校の頃からの親友であり、高校3年生となった今でも親友同士だ。
仲良しの5人グループで、他にも物静かでBL好きの平間凛(#大木咲絵子)、ちょっと怒りっぽい栗原キホ(#種崎敦美)、少し内気な出元亜衣(島袋未由利)たちと過ごしていた。
このまま平和な日常が続くかに見えたが、世界は少しづつ終わりへと近づいていた。

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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション

物凄いクセの強いタイトルの本作、観て参った!

SFと青春の融合、なかなか珍しく、世界観は唯一無二の作品に仕上がっていて、さらに2部構成というボリューム。

将来のことなど何もわからない青春時代。
さらにそこに存在する侵略者とその未確認飛行物体。

人が大勢死んで、まだその元凶はすぐ上にあるのに、平和ボケして慣れてしまっている異常さも感じて取れた。コロナウイルスの時に近い何かを感じた。

汚染されているからとマスクや健康診断を欠かさない門出の母、行方不明の父。

行方不明となったアイドルグループのメンバーは、謎の言語を話していた。

キホの元彼はネットの情報や円盤の情報を探して武装していた。

それぞれの不安や恐れが違った行動となって複雑に絡み合っているようにも見えた。

さらにそこから発覚する門出と凰蘭の過去。
想像していたよりよっぽどスケールが大きく、異常性の高い過去だった。

あの過去から今が繋がらないのは僕だけではない…よね?
イソベやんとデベ子という、確実にドラえもんのオマージュがメインとして出てきて何か意図を感じた。

のび太が嫌いな人は一定数いると思うが、今作の門出もそのうちの1人だった。

ただ、自分の持つ正義が絶対なんてことはなく、自分が間違っているなんて微塵も思わないし、ましてやそれを正義だと思い込んでいるとその過ちを正すことは非常に困難である。

それでも、間違っていると言ってやれる人は本当に愛情があると思うし、それこそがその人のためだって本気で思っているからこそ、言えることなんだなって思ったよ。

メッセージ性の深い前編でした。
後編も観るぞ!
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