シノミー

猿の惑星:新世紀(ライジング)のシノミーのレビュー・感想・評価

4.0
共存の道はあるのか。

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知性を得た猿の事件から10年後、人類は猿インフルエンザの蔓延により、滅亡の危機に瀕していた。
荒廃した世界で、わずかな資源を求めながら人類はなんとか生き延びていた。
一方で猿たちは森の奥深くで生活しており、人間と遭遇することはなかった。
しかし、ある日、人間が森に入り、遭遇した猿を射殺するという出来事が起こる。それをきっかけにシーザー率いる猿たちと人間は対立するようになる。

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波乱の幕開けとなった前作から時は流れ、さながらラスト・オブ・アスのような世界観で駆け抜けていった今作、前作よりも楽しめた。

元を辿れば人間も猿も同じ、生きるために必死で抗いながら生きている。

対立する道を選ぶものがいれば、共存を望むものもいる。
結局のところ、どんなに些細なきっかけで始まったのかなど、どうでも良くなっていた。それが戦争のはじまり。

最初に手を出したのはあっちだから、敵であればどんなに非道な行いをしても許される、それが正義だ。そんな考え方で、過去も今もずっと同じで、始まったら終わることはない。

それは認識であり、解釈である。
そして、その集団心理が争いを生む。

どちらかが歩み寄っても、相手に応じる気がなく、攻撃すれば均衡は崩れてしまう。

そんな深いメッセージが今作にはあったと思う。
ウィルは前作で大戦犯だったけど、唯一素晴らしかったのはシーザーはに対する愛情があったことだ。彼の人間的な感情がシーザーを大きく成長させることとなったと思う。

家族や仲間を守るために、戦わないという選択も必要かなのだと思った。

マルコムは主人公にしては地味だったけど、いい奴だったな。
森の雰囲気が素敵な映画でした。
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