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街燈のnagashingのレビュー・感想・評価

街燈(1957年製作の映画)
3.0
外国映画からの影響が色濃いごった煮映画。詩的リアリズム、ソフィスティケイテッド・コメディ、ネオレアリズモ、表現主義〜ノワール……と、まぎれもない日本の風景を次々と異国のスタイルを借りて描出していくあまりの異次元感に面食らう。いくらなんでも丸の内にあんなストリートキッズはいねーだろ。正面からのクローズアップと濃い口紅の伏線でキスを暗示させ、「次は髭をちゃんと剃ってね」というせりふの真意が時間差でわかるラストなんかは、とても洗練された憎い演出。こういう引き算の論理で作られた部分がうまいだけに、〝好きなものぜんぶ盛り〟の足し算による不調和がきわだってしまう。中原早苗が爆走させるマイクロカー(イセッタ?)は超めんこい。欲しい。
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