エイデン

ガッチャマンのエイデンのレビュー・感想・評価

ガッチャマン(2013年製作の映画)
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2015年、東ヨーロッパ
突如として謎に包まれた組織“ギャラクター”が現れる
ギャラクターは強力な兵器と“シールド”と呼ばれる装甲を持ち、わずか17日で人類はなす術もなく敗北し、その数を半分にまで減らしてしまう
残された人類は、限られた地域だけで生存を許されるのだった
13年後、東京
ギャラクターの影に脅かされながらも東京の都心には安全な区域が作られていた
“ISO(国際科学技術庁)”日本支局では、科学者 南部博士が総会を開いており、世界中から集まった科学者や要人にギャラクターと石について説明をしていた
ギャラクターと人類のDNAは99%合致しており、唯一の違いである“ウイルスX”こそが彼らの強さの源だった
そこで南部博士は、1718年に見つかった28個の“石”と呼ばれる結晶体に注目
その石は普通の人間が触っても何も起きないが、わずかしかいない“適合者”が触れると、ギャラクターに対抗できる“G粒子”というエネルギーが発せられることを発見し、南部博士はそれを利用して兵器を作り出したのだ
その時、付近に警報が鳴り響き、巨大な車輪のような機動兵器とギャラクターがISO日本支局に向けて侵攻を始める
防衛部隊も敗北する中、ギャラクターの前に戦闘スーツに身を包んだ鷲尾健、大月ジュンと甚平の姉弟、中西竜ら4人の若者が立ちはだかる
彼ら石の適合者からなるエージェント達“Gチーム”こそ、南部博士が生み出した対ギャラクターの最終決戦兵器だった
ギャラクターの強固なシールドをも破り、空を飛び回ってギャラクターを圧倒するGチームは兵器を止めるために動き出す
ギャラクターの幹部も姿を見せ、戦いが激化する中、突然現れたヨーロッパ支局のエージェント ジョージ浅倉(ジョー)も参戦し、ギャラクターを退けることに成功する
その後 ISO東アジア支局へ向かった一行は、そこで健とジョーがヨーロッパでのかつての仲間だと知る
健とジョーには複雑な過去があり、昔と違い健は自身の戦いから逃れられない運命を頑なに受け入れる性格となってしまっていた
健に思いを寄せるジュンは、ジョーからナオミという女性がジュンの心に残っていることを聞かされる
一方 南部博士に報告へやって来ていた健は、そこに居合わせたカークランド博士から、現在開発している兵器でもうすぐ解放されるという不審な言葉を聞く
また健は南部博士からギャラクターによる東京襲撃の狙いは別にあったことを明かされる
襲撃の同時刻、ギャラクターの最高幹部ベルクカッツェが東京に侵入していたのだ
その真の狙いは、ベルクカッツェとの権力争いに敗れ、人類側に亡命を願い出ているギャラクターのナンバー2イリヤの命だった
もしイリヤからの情報がもたらされたら、彼らが提唱している謎の計画“ラストスーサイド”も明らかになると考えた南部博士は、Gチームへ東京に潜伏しているイリヤを保護するように命令を下す
しかしイリヤこそ、健とジョーの仲間だったナオミを殺害した因縁の敵であり・・・



タツノコプロ原作のアニメ『科学忍者隊ガッチャマン』を実写化したアクション映画

昭和の人気アニメを現代風に大胆アレンジ
ギャラクターによって滅亡寸前の世界を舞台にしたSFヒーローものに生まれ変わった
やや原作要素が迷子になっているというか、もうガッチャマンじゃなくても良いのでは感はある

とは言いつつも、戦闘シーンに関しては思いのほか気合が入ってる
特に冒頭に関してはスタイリッシュなアクションを観せてくれて普通にカッコいい

ただまあ展開としては割とトンチキで、ドラマ部分に原作とは違った加筆を加えまくり、恋愛やら友情やらの要素を粗をそのままに積み重ねてる印象強い
ギャラクターとの戦いも、ドラマ要素の改変をベースに組み立てている様子で、変に都合が良かったり動悸が雑だったりとガタガタになってる
なぜ戦わなければならないのか、みたいな葛藤を与えてるのに脳筋力押しな進め方もしてる辺り、そういうとこだぞとしか言えないやつ

大幅な原作改変に加えて雑な作りが随所に垣間見えるのでスペクタクルがシラけて見えてしまうのもしばしば
金は掛かってる分もったいなく感じた
とはいえ原作改変で現代風にする試みはマーベル・シネマティック・ユニバースなど、ハリウッドのヒーロー映画が行ってきたものと同じ
試みとしては全く悪くないけど、原作要素をどう活かしていくのか、現代の人々にどうしたら受け入れられるかという製作の力量の差が如実に出てしまっているのは否めない
そんな粗を探せば湧いて出てくるけど、パッと見は悪くないので観ましょう
エイデン

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