「ほんでいつやんの？」「え？」「いつやんのって」「そりゃま、やろうと思えばやれるんだよ、問題ないよ全然、うん、別にまだ俺、本気出してないだけだしちょっと頃相的な問題でね、気分的に何だかね。ま、スランプってゆーのかな、抜け出せたら書きだせるんよ、間違いなくね。あと言ってなかったけど、俺、腱鞘炎でさ、この前のほら、あれ、おまえが男を見せろとかいって貸してくれたなんたら名人が監修したあのボタン連打のデバイス、あれで血眼になってボタン連打しまくってたら指がいかれてもうてよ、ほらこれ、いや変色などはないから分かりにくいが、ほらこの辺、心なし陥没しとるやろ、しかしまさか俺の指の腱がかのデバイス如きで砕けてしまういわば干し柿タイプの甘ちゃんだったとはね、さすがにそこには虚を突かれる思いだったが、え？何？？ペンは持てるのかって？いやペンは持てますよっ、何いってんの（笑、マウスも握れますがな、いや何か勘違いしているようだから言うけども、書けるんだよ、ただ書かないだけなんだよ、分かるかこの崇高にして微妙なニュアンス、ん？なんだかとても不穏な眉目をさらしておるが、じゃあ、おまえは何か、2000m走れ言われて、てんから猛ダッシュかまして全力でゴールへ向かうタイプなのか？ちゃうやろ、しばし自らの裡と相談の上走るべきか、抑えるべきか決めるやろ、それと同じや、つまり書く時は書く、書かない時は書かへん、鋭気を養い書く時がくるまでほどよい時宜を待つ、これすなわち最善の一計やろ。ま、俺はまだ本気出してないだけだし、逆に本気出してやったらそれはまあたぶんすごいことになると思うから安心してよ、なんてたって俺にはサイノウの芽吹きがたぶんありますし、ちょうど風水的な運気の流れも良くなってきているし、ちょうど今日は月末で明日から新しい気持ちで取り組めそうだし、天気も晴れみたいだし、奈良の爺ちゃんから明日にはちょうど焼き煎餅が10時くらいには届くタイミングでもありますし、俺がまだ本気を出していない状態から跳躍するには明日という日はまさに格好のアイテムがそろった絶好のスタートライン日よりといってよいでしょう」
「で、結局いつやんの」
「明日の夜」
