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まぼろしの市街戦のmiumiuのレビュー・感想・評価

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)
4.1
反戦映画で予想以上にしっかりコメディだった。

第一次大戦中、ドイツ軍に時限爆弾を仕掛けられ住人がみんな逃げ出した町に、爆弾解除のミッションを負ってやってきたスコットランド兵と、町に取り残された精神病院の患者たちとの奇妙な交流を描く。

人の消えた町で好き放題に振る舞う患者たちが生き生きしていて、画面もカラフルなのが印象的。
主人公の兵士が伝書鳩専門の通信兵なのに、「フランス語を話せるから」という理由だけで爆弾解除に行かされたり、トホホな設定が笑える。(全部無能で高圧的な上官のせい。現代だったらパワハラ上司になるんだろうな。)

爆弾はどこにあるのか問題、爆弾は解除できるのか問題など、ハラハラさせつつそこもしっかり笑える。
しかし一番ブラックな笑いの要素は、パワハラ上官のいる自分たちの軍、そしてドイツ軍のクライマックス。
「これって笑っていいの…?」と、とにかく唖然とした。

登場人物がみんなどこか可愛らしくて楽しく観られる映画… なのに、痛烈に皮肉の利いたブラックコメディなのがすごい。
カルト映画と呼ばれるの納得だった。
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