やし

17歳のエンディングノートのやしのレビュー・感想・評価

17歳のエンディングノート(2012年製作の映画)
3.7
大丈夫。パパがいる。いつもどおり。


フォロワーさんのレビュー読んでクリップしてたやつ。ずーっとクリップしてたけどやっと観られた。

映画のテーマとしては珍しくないが良作。

テッサ、17歳、白血病。余命幾ばくか。
バケットリスト(『最高の人生の見つけ方』にも出てくる死ぬ前にやりたいことリスト)を作る。
SEX、ドラッグ、犯罪(万引き)、etc..

…年頃だからね、親は大変だ。

そんな両親はいうと、
父親は病気のことをマニアかってぐらい調べてまくって絶対治そうとしている。
母親は逆で病状を詳しく知ろうとしないで病院にも行かない。

個人的にはこんな常に親身な父親みたいになりたいなとは思ったけど、子供から見たらどっちも良くは見えない。
そして、実は二人とも共通して子供の現状を受け入れられていないんだよね。
実際はそりゃそうだろうと思う。
受け入れたくないよ。

そして、それでも現実に向き合おうとして親も子供もボロボロになりながらゆっくりと前に進んでいくっていうね。
好きなテーマ…っていうかこういうの毎回泣かせられる。


お隣さんのアダムも、「こんなヤツいる?」ってなぐらいイイヤツ!
彼のおかげでテッサがどれだけ救われたか。
娘が連れてくる彼氏にしたい男NO.1。


友達のゾーイも一見破天荒だけど、根が優しい娘っていうのは分かる。
ある決断を下した時はホッとした。
演じるカヤ・スコデラーリオは美人さん。
『メイズ・ランナー』や『クロールー凶暴領域ー』(観たい)に出てるんだね〜。


テッサは感情を爆発させたりしないんだよね。
(ヒステリックなのは1.2回ぐらい?)
でも、強そうに見えて心は揺れ動いている。
折れそうになっている。
死を受け入れているように見えて必死で抵抗してる。
そんな17歳の少女の繊細で機微な心を、永遠の名子役ダコタが演じる。
安定すぎる。
大っきくなったなぁ〜。

父親も、言い方悪いけどルックスがイマイチ…だからこそ余計に格好良さが際立つ。
ベッドに泣き崩れるシーンなんかたまらん。
ウザい面もあるけど、その愛情はちゃんと子供に伝わっている。

「彼はまだ若い、頼りにしてはいけない。きっと失望する」
「大丈夫」
「もし、したら?」
「パパがいる。いつどおり」


そしてこの映画の癒やしがもう一つ。

〈ロケ地が美しい〉

どこが舞台が分からないけど、適度に発展していながら、海が見える街で、森もあって、冬には雪が降ってと。
こんな街住みたいんですけど。
(お姫様抱っこしながらバイク乗ってても捕まらない素敵さww)


原題『NOW IS GOOD』
人生は瞬間の連続。解き放とう。
やし

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