arataki

コンプライアンス 服従の心理のaratakiのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

嘘みたいな本当の話。(実際の事件が基)
「事実は小説より奇なり」とはよく言ったものだ…

序盤から裸にさせようとしている時点で
絶対おかしい!と普通なら疑いそうなものの、
気が付くどころか
どんどん犯人の思うままになっていく展開に
終始イライラが募った。

とは言え、“マインドコントロール”によって
引き起こされる事件のほとんどが
“まさか”というような内容だったりするので
その時の環境、関係性、
心理状態、タイミングによって
判断を誤ることがあるというのも事実。
恐ろしいけど。
(実際に本作と同様の事件も
70件ほど起きているらしい)

電話越しに“服従”の関係を
成立させてしまうほどだから
実際の犯人もさぞかし巧みな話術を持ち、
“マインドコントロール”に長けた人物なんだろう...

本作の中ではターゲットにされたお店の店長が
“かかりやすい”人物だったというのも
事件の大きな要因のひとつになっていた。
「君に責任はない。
今回のことは全て僕が責任を持っている。」と
普段から店長という立場にあり、
責任感の強い彼女を安心させ、
さも自分(犯人)は彼女の立場を
理解しているかのように語り掛ける。
仮にもしも、これが他の人物
(例えば副店長のマーティ)相手だったら
事件は早い段階で終息していたかもしれない。

電話をした犯人ではなく、
店や店長を訴えようとするのも納得できるほど
店長の対応、判断は明らかに間違っていたし、
それについては言うまでもないんだけど。
同時に、いつの間にか
被害者から加害者へと変わっていく
(本作では店長だけでなく婚約者も)
“マインドコントロール”そのものの
恐ろしさも強く感じた。


ひとつだけ分からなかったのが、
最後の店長へのインタビューシーンで
彼女自身がまさに犯人のような口調で
質問者に語り掛け、微笑んだのは
どういう意図だったんだろう…
最後の最後に少しモヤッとしてしまった。



2021-021
arataki

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