どーもキューブ

クレージーホースのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

クレージーホース(1973年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

アラバールの砂漠の出会い、アブノーマルフラッシュバック



1973年
フェルナンドアラバール監督脚本



ほぼノーマークだったアラバール。ツィッターで存在を知った。多くはアレハンドロホドロフスキーが影響を受けた監督とのこと。

ホドロフスキーにも影響人物いたんだ、いやあの過激作品と似てる映画なんてあるのか?と思った。

それでなぜか、近所近辺の中古屋に行くとまあアラバールあることあること。わりと複数店舗で商品確認。誰か大量に流した可能性ありのような物量だった。怪しい感じね。
中古屋で2枚あったりするともう怪しい物品です。

ほぼ事前情報なしでずーっと持ってたんだけど2020夏にいきなり見てみた。

冒頭の絵。馬人間かな?諸説ある絵みたいで、ほかブログで解説されたの読みました。ググり参照ください。



冒頭15分でわかる。ホドロフスキーが影響受けた感じがわかる。

いきなり逃げたという主人公。なにかの容疑。重なるフラッシュバック。そこにはセックスやら、釣られた死体、白骨化、両親のセックス等々。
これは、公開出来なそうと思った。同時にホドロフスキー好きそう。

セックスもただセックスじゃなくて、癖が一歩進んでいるのが特徴。あと2本あるからわからないが、セックスにアブノーマル、陵辱凌辱を付け足すのがアラバール。それもエディプスコンプレックス付き。両親からの愛受けたいけど受けられない。この両親との感じは監督のテーマらしい。
母の愛を歪んで受ける、歪んだ瞬間をみるなどをほんの、30秒ほどのフラッシュバックに映るのがアラバール。

まあ不意に見たけどなかなかのショック映像満載。
死体でたり、スプラッターしたり、舌抜いたりまあクレージーホースったらありゃーしない。

逃亡者たる母の歪んだ過去持つ男が、砂漠の小さな髭おじさんに出会い、ナチュラル砂漠思想に愛を感じる。ナチュラルから都会に連れて行き文明化的生活をするが?さて、どうなるみたいなお話し。

骸骨なめたり、泡ふいたり、砂食べたり、脱糞したりアブノーマルアラバール。
超蛇足だが脱糞見たのヴェンダースの「さすらい」以来。本作の画面は美しい落ち便だった。

ホドロフスキーが見て「おお!これが俺の求めてた表現だあ」と思ってそう。

宗教的なやつもしっかり絡め、空中遊泳からキリスとはんいじりから、いろいろ出る。

音楽も誠に耳に残るヘンな音で必見。笛の音が鳴る音楽があるんだが、なんかのヒップホップでサンプリングされてた気がして耳覚えがあった。アバラールさん、ほか作品にも同じ音楽を使っているとのこと。
なんか子供のつぶやきのような歌なんか寝言なんかのよう曲も大変耳にこびりつく。

2人の関係性は、同性愛からの愛、飛躍からカニバリズムまで飛翔展開必見。

〇ンコに針刺して血出したり、過去のフラッシュバックにしては突然突飛気色嫌悪が基本セットメニューになっている。さながら丸尾末広の漫画のよう。
そうあと見ながらヤコペッティのドキュメンタリーにも見えたなあ。脈略なく残酷数珠繋ぎみないな展開にそれを感じた。

アラバールは関連があるとこと無いとこがありそう。最初のニュース手話も本気であってるのかがなんか怪しい(わからんけど)

だけどすんごいパワフルな作風だと思いました。さらっとやってるんだけど、全部詰め込む的な力強さを感じた。漫画的にも見えるが、とにかく瞬間瞬間にしっかりアブノーマル、アンチモラル、公序良俗犯しを放り込む姿勢が如実にある。

ガスマスクで踊るシーンもあり。まるでコロナ禍を予言してるかのよう、いやしてないけど。

ラストはウエーっとはきたくなるほどに気色悪い大団円で馬の狂ったいななきは静まります。

カニバリズム的には、かなりのプラス解釈なんで逆にびっくり。要は「君とひとつになりたい、食べてくれ」からのウンゲロガブガブで恍惚。あれ、これって佐川クンの発想?、。昔からある猟奇殺人の一種としてカテゴライズされてるやつかも。

いやあ、あと2作楽しみ!



さて
アラバールアブノーマルフラッシュバック
砂漠の出会い、アブノーマルフラッシュバック

ホラーファン
ホドロフスキーファン必見!

追記
「死よ、万歳」「ゲルニカの木」もレビューしていきます。近日公開。

追伸
これホドロフスキー見たら!間違いなく「お~これこそ!俺の表現じゃねーか!

砂漠でアブノーマルやってみよう!と
お山に理想郷とアブノーマルやってみようと!
「エルトポ」「ホーリーマウンテン」作ってそうな感じが容易に想像出来た。

日本にもこういう感じな作品、山ほどあるけど、なんか違うんだよねー。だいたいB級になったりする。監督の脳内再現表現性と思想によるんかなあ。
そんなんだとV&R系の日本ドキュメンタリスト、バクシーシ山下、平野勝之、カンパニー松尾は、間違いなくアバラールの地平線上にいるような気がする。
思想、趣旨、やり方、見せ方、魅せ方全然違うが。

フィルマ版付け足しレビュー
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