ハター

TOKYO TRIBEのハターのレビュー・感想・評価

TOKYO TRIBE(2014年製作の映画)
3.0
エンターテイメントです。(きっぱり)
現在の常識的なリアルからかけ離れた世界観、絢爛な様子が終始画面を支配。本編の中に解説を織り交ぜながらミュージカル形式で進行していく。

歓声か苦笑か。それを知りながら胸を張り押して押しまくる確信犯だらけの園ワールド。今まで何本も撮り続けてきた監督が作ったこの娯楽ムービーはある種眉唾ではありましたが、物語も面白く、キャストに関しても特に不満はなかった。
特筆したい点は…フェティシズム、隠語の横行がこうも見る事ができる作品は稀です。まあ、手軽に手元でエロ動画が見れる時代にこれくらい問題ないでしょうか。(むしろ必要?)
実際こういった文化が流行していた90年代後半にブームとなったドラマ、池袋ウエストゲートパーク(IWGP)をどうしても思い起こさせます。それもこれもIWGPに出演していた窪塚洋介と佐藤隆太がここにも出ていたので。(さすがに妻夫木は出なかったのか…)

園子温は大胆な演出と無骨に見せつつもそれが計算と伺わせる作品が多い。今回のラップミュージカルという形は新しい試みとして面白いし、内容云々のはちゃめちゃ感は決して嫌いなわけではないのに今回はどうも心が揺れなかったです。色々な事(なんだこれ…いや!この意味は考えちゃいけない!考えたら坩堝にはまるぞ!ダメだ考えるな!感じろ!くそっ!ちょっと竹内!少し静かにできないの!?)を頭に巡らせながらの観賞が楽なのか苦なのかを考える事ができたのは謎の収穫でした。
あとは、おそらく脳みその海馬が二番煎じの気を感じてしまったのか。そうなるとおいおい頭堅くなってきたぜ、と少し嘆きたくもなります。これがおっさんか。
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