エイデン

ザ・セル2のエイデンのレビュー・感想・評価

ザ・セル2(2008年製作の映画)
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FBIのケッセル捜査官は、FBIと司法省の合同チームを率い、ある凶悪な連続殺人事件を追っていた
その手口は、被害者を心肺停止に追い込んだ後に蘇生させることを繰り返し、何度も死を味わわせるという残忍なもの
この事件のように近年では従来の科学捜査だけでは解決できない事件も多く、そうした場合 警察は特殊な能力を持つ市民に協力を仰いでおり、今回もマヤという女性に協力のもと、ケッセルはヘリコプターから現場のチームに指揮をしていた
マヤには遺留品などから持ち主の様子を見ることができる“サイコメトリー”能力を持っており、被害者の持ち物からついに犯人であるカスプのアジトを突き止めるのだった
しかしアジト内部の様子がわからなかったため、マヤは犯人の持ち物を使いサイコメトリーで犯人自身の意識の中へと入っていく
マヤは犯人が被害者を拷問している風景を茫然と眺めていると、突然カスプに話しかけられ驚いて飛び起きる
再度サイコメトリーを使ってカスプの姿を見るも、顔が見えなかったばかりか目の前で被害者を殺害されてしまうのだった
結局 突入したチームのリーダー スカイラー捜査官も犯人を確保できず、事件は未解決のまま終焉を迎える
それから1年後
地元の少女ビクトリアの遺体が発見され、捜査をしていたハリス保安官らは、残された特徴から連続殺人事件が再開したと考える
更にそこへハリス保安官の姪ペネロピが大学で行方不明となったという情報がもたらされる
翌日 能力を駆使して人探しの仕事をしていたマヤの元へ、ケッセルとスカイラーが現れる
ケッセルはカスプが再び犯行を始めたことを伝え、マヤに協力してほしいと頼み込むが・・・



サイコサスペンス映画『ザ・セル』の続編

殺人鬼の心の中に潜入するというコンセプトだけをそのままに、1作目とは繋がりのないストーリーが展開される

前作の製作陣も関わっていないビデオスルー作品ということである程度お察しだけど、前作の訳の分からない世界観という内容に対して、純粋にクオリティは低め

サイコメトリー能力を持つ女性が因縁ある猟奇殺人犯に立ち向かうという設定変更こそ特に違和感は無いものの、前作のような精神世界を舞台にした“遊び”は鳴りを潜め、芸術性は丸無視してエンタメに振り切っているのが特徴
好き嫌いの分かれそうな尖り方をしていた前作に比べると、おとなしすぎて特筆する点が無いというのが正直なところかな

現実世界と精神世界両方での戦いなんてのはちょっと珍しいかとは思う
それでも諸々のツッコミどころを無視しても今ひとつ乗り切れない凡庸さ
そしてまさかのエンドロールでは撮影の裏側が急に流れ出すという、徹底したマスターベーションプレイをキメてくる
卒業製作か何かなのかわからないけど、製作陣の精神に1番潜り込みたくなるぞ
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