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私の男の&yのレビュー・感想・評価

私の男(2013年製作の映画)
4.0
【2014/6/18:渋谷HUMAX】
「お前が倫理観語るなよ」と思わずツッコミたくなる藤・コリーダ・竜也さん、良作にいつも薄幸美人として登場する河井青葉さん、生来の役どころを得た浅野忠信などキャストの皆さん最高ですが、ここはもう二階堂ふみちゃん一人勝ちってことで。予告で流れる流氷シーンは、イイとこ見せすぎじゃない?と思ってたけど実際は予告よりずっと凄かった。
正直、本当に気持ち悪くて嫌悪感しかわかない話だが、わざわざ身銭を切って劇場で「和嘉熊切のきみわるい話」を貪るわたしのような観客は楽しめた。にしてもあまりに雑な展開はちょっと強引すぎるかなと思いましたが。
父親になり損ねた男は罪で腐っていき、娘になり損ねた女は罪で輝く。死体を蹴り、水のボトルを離さず、自らキスをせがむ幼少期に始まり、口からピアス出すふみちゃんと青葉さんのくだりとか、コリーダ竜也さんとの流氷決闘に至るまでとか、思えばずっとイニシアティブを取ってたのは花の方だったんだな。それを象徴するかのようなラストカットや、潰された「HOPE」の箱なんかは最高に好み。
ただ…これも好みの問題でしょうが、熊切監督はやっぱり瞬発力の画を撮る人だと思うので、ディテールじゃなく作品そのものがフックになってるような、コンパクトかつ肉厚な作品でグイッとされたい〜、と思った。いや、決して嫌いじゃないんですけど。
あと、ジム・オルークの懐深さに感服。なんでも呑み込んじゃうのね。
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