次男

アドベンチャーランドへようこその次男のレビュー・感想・評価

4.1
愚鈍なの!ってくらい純潔な青春映画!なんのひねりもない、必要以上の深みもない、オシャレでもない、「青春一本槍!」のこの清々しさ!好きやわ〜〜。

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大学時代を関西で過ごしていたので、デートやらでよくユニバに行ったんですよ。あ、関東やとUSJって言うかもですが、関西では(少なくとも僕の周りの関西では)みんなユニバ、でした。ユ→ニ↑バ↓。

その頃にはいまの主戦力のアトラクションたちはあんま無くて、ドリームザライドができた頃だったなあ、まだETいましたもの。名前登録すると呼んでくれるんですよ。キモかったな〜〜。

ユニバのなにが好きって、園内でかかっている音楽なんですよ。80-90'のポップスとかロックが多くて、あの年代特有の、クサさ、みたいなのが、なんというか、露骨にロマンチックじゃないですか。キュンッてなるじゃないですか。

そんな音楽を背負って、ジョーズエリアのアミニティビレッジとかのウッドデッキみたいなとこで、対岸の偽の夜景見ながら、隣の女性に、その当時の全力の好意を伝えたり伝えられたりするじゃないですか。あとはこう、人混みに隠れて、自分の唇と相手の唇を、こう、合わせあう、時には動かし合う、なんかそういう、求愛行動とかするじゃないですか。いやちょっと思い出補正で、そんなことなかったかもしれないですけど、でもそういうなんかをする雰囲気の場所で、80-90'ミュージックが流れていたわけですよ。

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駄文を地で行く長い前置きでしたが、鶏が先か卵が先か、あの時代の音楽は、やたらと心を濡らすのですよ。

だから、なんというか、要はちょっと最強の組み合わせじゃないですか?遊園地と、80'ミュージックと、童貞の恋って。
清らかであろうとする童貞精神と、下半身先行の下心と、影のある美人と、急接近と、手に負えない人間の感情と。露骨なほどのロマンチックでやっと太刀打ちができるほどです。
Crowded Houseの「Don't Dream It's Over」がかかったときはキュンキュンキュン!!となんか胸の奥が、こう、あと下半身も、こう、あれですよ。

(あ、音楽知ってるぶりっ子しましたけど、そんな曲知らなくてググりましたよ。アルファベットで打ったほうがかっこいいと思って、スペル間違えないように一生懸命チェックしながら打ちましたよ。こういう背伸びも童貞くさくて好きですよ)

あまりにも誠実な青春映画だから、もう基本に忠実で、ここで語られるのは、僕の手に負えることばかりに違いないと、安心して心を預けました。


もうすぐ十の位の数字がまた一つ増える年だけど、ずーっと、いつまでも、青春映画の魅力を理解できて、懐古じゃなく、当事者気分で、観ていれたらなあ。





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(こうして二人は出会い、しかしジェシーは結局コンビニでアルバイト、クリステンは髪を赤く染め、事務仕事。片田舎でふたりで共に薬漬けの日々です。そんな平和で自堕落で倦んだ生活は、ある日、女性客の不思議な言葉の羅列で、急展開を迎えるのですね…)
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