りっく

攻撃のりっくのレビュー・感想・評価

攻撃(1956年製作の映画)
4.5
最前線における軍隊内の腐敗や不条理を堂々とえぐった本作は、当時ハリウッドを席巻した赤狩りへの反発が色濃い。クライマックスでコスタの同僚は事の次第を総司令官に報告しようとして大隊長に止められるが告白を選ぶ。このラストシーンは赤狩りで仲間の名を売ることによって仕事を得た裏切り者たちへの痛烈な皮肉である。

コスタ役のジャックパランスは脚を撃たれ、まさに鬼気迫る復讐鬼になって最後には映画史上最も凄まじい死に顔を見せて果てる。そして無能で臆病だが上司にゴマをする中隊長クーニーを演じたエディアルバートも見事。バカな上司のおかげで、部下である兵隊は死ぬ。強烈なキャラクターたちの描き分けも素晴らしい。
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