【マレフィセントから見た世界】
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監督:ロバート・ストロンバーグ
製作国:アメリカ
ジャンル:ファンタジー
収録時間:97分
興行収入:約7億5800万$(世界68位)
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前から見ないとと思っていたのですがようやく見れました。アンジェリーナ・ジョリー演じるマレフィセントが主役、つまり悪役を主役にすると言う変化球映画であります。『アリスインワンダーランド』の世界観があまり得意ではなかったため見るのに躊躇していましたが、思っていたよりはマシでした。ただ、マシというだけで良いかどうかというと微妙なところでした。
『眠れる森の美女』のヴィラン、マレフィセント。彼女は元々は心優しい女性であったという設定。羽を切られステファン王子に裏切られたマレフィセントは復讐を誓うのだが。
『眠れる森の美女』は未見でして、ゲームの『キングダムハーツ』でしかイメージがないマレフィセント。そんな彼女が実は心優しい女性であったのだと、マレフィセントの目線から教えてくれるファンタジーであります。流石ディズニーといったところで、ファンタジックな世界観を作り出す能力は一流。
変化球ということなので、物語を知ってる人でも楽しめるかと思います。特に終盤が変化球すぎて、何でもありだなと思いました。ドラゴンになるのもマレフィセント本人ではないの?と思いましたし。
今作の面白いところは、善悪なんてその人の目線から見たら変わるのだよ。ということを伝えていることです。確かに、我々は『眠れる森の美女』のオーロラ姫の目線から物事を見ていましたが、マレフィセント目線で見ると、こうも事情が違うのだよと知らしめされます。これは現実の世界の人間関係でもそうでして、無闇に第三者からの噂を鵜呑みにしてはいけないというメッセージでもあると思います。もっとも、今作のような目線は、自分を美化したものであると思うので多少脚色されているのかもしれません。
もしかして、今作はずっと悪役だったマレフィセントが我々に弁解するために作りあげた「言い訳映画」なのかもしれません。実際はこうなんですよ!と。このように物事の良し悪しはやはり多角的に見て判断すべきものなのですね。
と、このあたりばかり目がいってしまいましたが、やはり展開や世界観はそれほど好みではありませんでした。にも関わらずこの興行収入。過去作の実写スピンオフの強力さを垣間見ましたね。