真田ピロシキ

劇場版 STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)負荷領域のデジャヴの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.0
そろそろ評判の良いシュタゲゼロを見ようかと思って。前世代ではXBOX360オンリーユーザーだったのにキラータイトル扱いされてたこれの原作は2013年くらいまでやってなかった。体験版では紙芝居としか思えなくて実際そうなのだけどその分選択肢によって起こる展開は幅広く、似たテーマで演出の優れた『Life is Strange』の選択が限定的だったのを思うとこれはこれで良いものだった。本作のヒロイン牧瀬紅莉栖エンディングは到達条件が非常に難しくて思い入れもない自分はさっさと攻略サイトに頼ったのだけれど、自力で辿り着けた人には深い愛が感じられる。ここで大きかったのは主人公の岡部と紅莉栖の交流はそう長くはなくて、それでも心が通じ合って時間を戻し世界線を超えたのが良かった。この映画は紅莉栖以外は邪道という認識なのか紅莉栖を運命付けるための執念が凄まじく正直キモい。更にそこに至るまでがまだるっこい。ただでさえ話の幅が狭まるアニメでこの押し付けはね。辻褄はまあ合っている気がするので無碍に否定もできない。一応メインキャラは全員出しててTVアニメでやらなかった話を少しフォローとファンムービーとしてなら満足できるのかな?

話はイマイチだが生活感の感じられるアニメのクオリティは高い。こういうアニメが苦手でも『バタフライエフェクト』が好きならTV版は見て損しないと思います。酷い格好で媚び切った演出をされる女キャラもいません。典型的なツンデレ描写を我慢できれば紅莉栖は可愛いキャラです。まだこの頃は男の娘というネタに留まっていたルカ子は今の時代にもっとありのままで尊重されるべきキャラ。エルプサイコンガリイ。