リタ

ウォールフラワーのリタのレビュー・感想・評価

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
3.6
高校一年生から見て、三年生ってほんと大人で。
高校時代は彼らにとって、とても長い時間なんだと
この映画を見て来てしみじみ思った。

面白かったけど、
2時間の尺にしては設定が渋滞。

親友の死、孤独な高校デビュー、スクールカースト、上級生からの洗礼。国語の先生との交流、同級生からの陰湿なイジメ、作家への憧れ、80sロック、精神病、幻覚、入院、はみ出し者の集い、初めての麻薬、ゲイの友人の苦悩、思い人はビッチ、初めての彼女がヤンデレ、ロッキーホラーショー。
お兄ちゃんはアメフトの花形、お姉ちゃんはDV被害者、お父さんは主人公を恥じてるっぽい。
あげく彼には叔母さんのトラウマが。。うああ。
設定が盛りだくさんなこと、
そして現代的問題を多数孕んでてちょっと疲れた

ストーリーが全体的にサブカル妄想っていうか。
割と痛い。
それがこの映画の良いところなんだろうが。
設定どれもがアメリカ青春あるあるなんだよなぁ
ひとつひとつは深刻だけど
あり過ぎると薄っぺらく思えてくる。


音楽とカット割りテンポ、思い人がビッチ、
主人公が面倒くさい自意識過剰男って点が
500日のサマーとかぶる映画だった


けど、音楽の趣味が合う監督の場転リズムって好き。

エズラミラーが授業で落第を免れたとことか、
御神体がシートに代わってからのラリって雪かきとか
あのサクッとしたコメディ場転ワクワクする!

スミス、ダイナソーjr. 、ビートルズ、イイ!

トンネルでのタイタニックポーズは薄ら寒いけど、
デビッドボウイが流れることで鳥肌立つ程グッと来た


エズラミラーとエマワトソンが仲良すぎて
ニヤニヤしたな。
そういう描写、後半ももっと欲しかったな。

いやしかしエズラミラーのパート全てが良かった。

誕プレにあの不恰好な時計をあげるシーン、
彼氏との関係を惚気てたのに、結局彼は
保守的な育ちと人気者の地位を捨てられなかったシーン
お礼にドライブに誘ってキスしちゃう切ないシーン。
↑特にここ。
憧れのドラッグクィーンになりきれない、
失恋から簡単に立ち直れない純粋な子供に過ぎない。
自分をコントロールしきれない未熟さが可哀想だった。

そいえば下着姿でロッキーホラーショーする
エマワトソンかなり可愛かったね。


がっかりしたのは主人公が無視されるくだり。

女子同士の友情なんて大したことないのに
(実際前にも同じことがあった的な台詞があって)
それを引き裂く行動をしたことでハブられる
主人公が信じた友情とやらのしょうもなさよ。

お前そのグループでも最下層だったんじゃ?
感動薄れた。このシーンはいらなかったな。


エマワトソンが大学入学で家を離れる前夜、
結局主人公がトラウマを克服できたのか気になる。
最後までいけたのか?

大切な局面がなんか、おざなり。
狙って語らないのも、多いと自己満足。

多分原作を詰め込み過ぎたせい。

雪の中の、羽が生えたみたいなシーンが綺麗だったな。
リタ

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