ペンソー

静かなる叫びのペンソーのレビュー・感想・評価

静かなる叫び(2009年製作の映画)
3.8
D・ヴィルヌーヴ監督、脚本による、1989年に実際に起こった銃乱射事件をモノクロで描いたドラマ作品。

D・ヴィルヌーヴ監督作品ということで、ひたすらに淡々と暗いながらも引き込まれる77分間。
背景はあくまでも最小限に、事件の現場がどうだったのか、セリフはほとんどなく、ただただ混乱する現場が描写される。

ただでさえ重苦しい空気の作品なのにモノクロがそれを助長しており、とにかく息が詰まる。
犯人は自らの思想に従って行動しており、思想だけで突っ走る人間は恐ろしい。
犯人の勝手な思想で被害者となってしまった女子大生たちは可哀想だし、犯人がしたことは許されるものではない。
一人の思想が暴走した結果、たくさんの人間の人生がブチ壊され、残りの人生に傷痕を残すというのは恐ろしいことだなぁと思いました。

さすがはD・ヴィルヌーヴ監督、淡々とした襲撃シーンの恐ろしさに目が釘付けになる作品でした。
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