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世紀の光のsskのレビュー・感想・評価

世紀の光(2006年製作の映画)
4.4
彼の作品には、時間の交錯や夢や記憶を表現していることが多いが、これはある種の非決定を全体を通して表現していて、何か時間や運命というものの不確定要素、或いは前世という言葉を借りて説明できそうな何かを映画にしている。他の作品同様、摩訶不思議な感覚をもたらしてくれるのだが、まるで『2001年宇宙の旅』のような謎の音と物体のシーンが見られたり、他作品よりも映像と音が作り出す感覚に重きが置かれているように思える。『光りの墓』の映画館のシーンや海辺で動く"パペット"などより明確に"映画を見ている私たち"に自覚的に促す映像やこれまた意識的に過激なシーンが入っていたりアピチャッポン節を感じつつも、また映像に没入していることに自覚的になってしまうくらいに、これまた珠玉の一品であった。
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