こころとからだ

マーガレット・サッチャー 鉄の女の素顔のこころとからだのレビュー・感想・評価

3.8
イギリス初の女首相マーガレットサッチャーの自伝的な作品。

さすがのメリル・ストリープ、何の知識なく見ても普通におもしろく見れた。

テンポよく軽やかに物語がどんどん展開され、退屈さや集中力が切れることはなかった。

夫であるデニスの演出が最初分からなかったうえ、すでに退任後の状況から描かれていることにしばらく気づかなかったが、それが良かった。

気がついたら歴史を学んでいて、見終わったらひとつ賢くなっている。こんなお得なことはない。

最後には背負っていたものを下ろし、ようやく何の気負いもフィルターもなく、世界が見れるようになる。マーガレットサッチャーからマーガレットロバーツに戻る様子は、コンテンツとしてお手本のような終わり方だった。

気になるのは、夫のデニスはいつ死んだのか。そして、本当にずっとデニスの残像を見るくらい求め続けたのだろうか。あくまで映画上の演出なのか、気が触れるくらい依存していたのか気になる。