原作小説を読みたいと思いながら、映画を見る。見てから読むことにした。
37歳の月子(キョンキョン)は、居酒屋のカウターで熱燗。つまみは、同じカウンターに座っているセンセイ(柄本明)と同じ。
負けず嫌いのように「同じくです」という注文をくり返すセンセイ。変な感じがとてもいい。
ふたりは店を出て、同じ方向に帰るが、左に折れて坂を上った先が月子の家で、そのまままっすぐがセンセイの家。この分かれ道が印象的に何度も出てくる。
で、30歳離れた恋のストーリーになる。とにかくふたりは酒と肴の趣味が合う。酒好きにとっては、もうこれだけで十分な気がする。
お花見に行ったり、きのこ狩りにいったり。
センセイはいつもスーツで、いつも同じ鞄を持っている。だれもそのことには触れない。センセイが鞄を開けるシーンもなかったような。
センセイの家で、ふたりで一緒にいそいそと布団を敷くシーンがコミカルでおかしい。そしてよろしくお願いしますと。
月子の視点で語られるが、久世監督はセンセイに自分を重ねたのではないだろうか。2006年に久世光彦は亡くなっている。