くぅー

野獣死すべしのくぅーのレビュー・感想・評価

野獣死すべし(1980年製作の映画)
4.4
松田優作の最狂の作品を、ついにスクリーンで観ることができて・・・帰路は白昼夢の様な余韻に浸ってしまう。

奥歯を4本抜き、10㎏の減量をして臨んだ渾身の伝説的な本作・・・原作とは対照的な、賛否の主人公像を作り上げた訳は、"遊戯"シリーズから一皮向けて、怪優への境地のこだわりなのか。

よって、深く静かに燃えて潜む前半から緊張感は凄まじく・・・銀行強盗から爆発する後半の鬼気迫る狂演は圧巻で、破綻気味のストーリーをも凌駕する凄みに、ホラーにも通じる表情は必見でしょう。

特に、リップ・バン・ウィンクルの話とリンクするあなのラスト・・・どう解釈しようか、ニヤニヤしちまいました。

鹿賀丈史の存在感に、味のある室田日出男の助演も印象に残った。
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