乙郎さん

新しき世界の乙郎さんのネタバレレビュー・内容・結末

新しき世界(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 僕自身男性なので、男性同士の友情というものが映画に描かれるほど美しくないことはわかっている。だからこそ映画の中でくらい美化された友情を求めるのかもしれないが、それゆえ、美化具合が不徹底だと逆にものすごく悪印象になる。『新しき世界』で描かれるのは、そういう人間を唸らせるレヴェルの友情だと理解してほしい。
 この男性同士の友情の描き方について、欧米圏の映画ではドライすぎ、日本映画ではウェットすぎる。ちょうどいいバランスがまさにアジア圏の映画なのだ。エンディングの笑顔一発でもっていかれた。観終わって1時間ほど経ち昼飯を食っている時にフラッシュバックして涙ぐんだ。
 このエンディングは『エグザイル/絆』、『ビースト・ストーカー/証人』、『モンガに散る』あたりの香港ノワールのエンディングにぐっときた方なら必ず心奪われるだろう。全体の展開としてはタルいところもあると思ったし、好みでない演出もあった。でも、ラストでもってかれた。
 あと、ヤクザ映画の好きなところって、スーツをビシッと着こなした男性がたくさん出てくるところ。スーツがかっこいい映画はそれだけで傑作。韓国ヤクザのスーツはどことなく湿度が低そうでいい。
乙郎さん

乙郎さん