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セブン・サイコパスのKSatのレビュー・感想・評価

セブン・サイコパス(2012年製作の映画)
4.2
7人のキチガイが殺し合う映画かと思いきや、7人のキチガイを「生み出す」噺だった。同じマーティン・マクドナーの「スリー・ビルボード」同様、完全に脚本の映画。でも、脚本家の名前が「マーティ」っていう時点で、どういう映画なのかお察しよな。

ウディ・ハレルソンにウォーケン、トム・ウェイツにハリー・ディーン・スタントンと、出てくる役者がみんな最高。オルガ・キュリレンコの無駄遣い感もちょっとどうかと思うけど面白い。

なんかタランティーノの二番煎じだって人が沢山いるみたいだが、そんなことはないと思う。こっちの方が意地悪で幻想的なほどにブラックだし、泥臭い。

個人的に、ウォーケンがシナリオのアイデアとして語るベトナム人僧侶の小噺が凄く好き。時空を超えて暴力の無意味さを説く、一際異質な噺。他にも、KKKやゾディアックを殺すサイコパスな異人種カップルの噺とか、自分の娘を殺したヤツをどこまでも付きまとうクェーカー教徒の噺とか、こういうジョークみたいなんだけど幻想性が伴う感じは、タランティーノとはちょっと違うと思うし、結構好き。

ウディ・ハレルソンとサム・ロックウェルが良すぎて、コリン・ファレルが完全に食われちまってる。
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